今回の目的

言わずもがな、ほとんどの企業は営利目的。予算に対しての実績や、売掛に対しての回収や、目標まであといくらやねん?といった数字に対する集計を一撃でやりましょうというお話です。

今回ご紹介するのは、kintoneの一覧画面から直接起動できる「目標残高チェック」ボタンを実装し、モーダルUIを使って必要な数値を集計して結果が一目でわかるように表示します。

上乗せ予算などが発生した場合も柔軟に集計できるよう、予算は都度入力形式を採用しています。

背景と目指す形

今回のご依頼元は営業会社の経理部署。

元々クライアントさんの環境では、kintoneの請求アプリには請求と入金を管理するテーブルが備わってます。総請求額を分割回数によって均等に分割し、1行1回の支払い予定として出力されています。分割入金日が入力されれば入金済み扱い、というわけです。


このテーブルを持つレコードが1案件1 レコーとしてアプリには登録されており、これらから

当月の案件の入金状況をピックアップし、予算に対してどういう状況なのか?



というのをまとめてサクッと確認したいよ、ということです。つまり、売上ではなくキャッシュフロー予算に対する進捗の確認ですね。


「そんなの予算アプリ作って実績と一括集計しちゃえばいいんじゃないの?」


というご意見あるかと思いますが、確かにそれはそれで可能ですが、

・キャッシュフローに対する予実なので状況によって予算がよく変わる

とのことなので、あえて予算を都度入力にして受難性を担保した作りを目指します。

実際の組み込みについて

「今月の目標値を設定し、現在の入金状況から残額がいくら(後いくら必要か)を算出して表示できないか」


という割とざっくりしたご要望だったのですが、せっかくなのでもう少し機能を持ったカスタマイズを設計しました。


①一覧画面メニュー位置に「目標残高チェック」ボタンを設置する

②押したら数値入力モーダルを開き、入力の上次へ(ここで入力された数値を「当月予算」とする)

③数値入力の上、次へを押したら下記条件でレコード取得
・請求明細テーブル内の"お支払期日フィールド"に今月の日付が含まれているレコード

④取得したレコードから下記を処理する
・請求明細テーブル内の"お支払期日フィールド"が今月である行の"お支払金額_税込"を合算(これを「当月入金予定額」とする)
・請求明細テーブル内の"お支払期日フィールド"が今月であり、かつ"分割入金日フィールド" る行の"お支払金額_税込"を合算(これを「当月入金済額」とする)
・「当月入金済額」-「当月予算」を計算する(これを「現在の不足分(実数値)」とする)
・「当月入金予定額」-「当月予算」を計算する(これを「現在の不足分(馬なり値)」とする)

⑤上記をテーブル形式で、適切な説明を添えて表示させる
当月予算
当月入金予定額
当月入金済額
現在の不足分(実数値)
現在の不足分(馬なり値)

上記表示に加え、結果によって気の利いたコメントも一緒に表示させるといいかも。例えば...
現在の不足分(実数値)がプラスだった場合
→「すでに達成済みです。お疲れ様でした。」
現在の不足分(実数値)がマイナスで、現在の不足分(馬なり値)がプラスだった場合
→「未納さえなければ達成できます。しっかり追いましょう。」
現在の不足分(実数値)がマイナスで、現在の不足分(馬なり値)がマイナスだった場合
→「入金予定額を全て回収しても予算達成できません。新規獲得を追いましょう。



そんな具合に実装を進めていきます。

まずは予算入力

シンプルに数値入力のダイアログ。

計算して結果表示

各数値の説明を添えて集計結果を表示。

という訳で、動き自体は非常にシンプルです。
今現在でいくら不足しているのか?予定額が全て振り込まれたら結果はどうなるのか?見込んでいる金額に対してあといくら分、追わなきゃいけないのか?
様々な数値が出力できます。実際の動きは下記のイメージです。一瞬ですね。

様々な集計が独自で実装できる

この仕組みは平たくいうと、テーブル内の特定行とユーザーが入力した値を比較しながら希望の集計をサクッと表示するための汎用フレームワークです。


- 対象のテーブルに
- 指定の行が存在すれば
- 入力した情報と突合して
- 結果を表示する


たまたま今回は「キャッシュチェック」だっただけで、この枠組みは以下のようなシーンにも転用できます。

- 営業担当ごとの売上進捗確認

→ 予算入力の要領で、誰の実績を見たいのかを選択する形をとり、その営業マンの現時点での進捗率や不足額、着地などを一発で計算、表示します。率計算にはちょっと弱いkintoneなので、会議の時などはここでサクッ確認するのもいいですね。

- 入金過不足チェック

→ 請求アプリと入金状況を把握できるデータがあれば、請求に対しての過不足がチェックできます。多ければ過入金、少なければ未入金、など、まず全体把握の用途としてありです。

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💡 費用目安:35,000円〜(要件により応相談)

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